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2020年04月14日

本学文学部・田中亮平教授の翻訳書「ゲーテとドイツ精神史: 講義・講演集より」が出版されました

本学文学部の田中亮平教授は、日本ゲーテ協会の森淑仁前会長と共に、エルンスト・カッシーラーの「ゲーテとドイツ精神史: 講義・講演集より」を翻訳し、知泉学術叢書11として知泉書館社より出版されました。

「本書ではカッシーラーの遺稿集のうちゲーテを論じた第10巻と11巻から主要なものを編集、訳出した。カッシーラーの体系的文化哲学『象徴形式の哲学』の源泉的モチーフはゲーテの芸術理論と科学理論に由来する。その自然観、芸術観の根幹は『有機的形態の形成と変成』であり、そこにゲーテの象徴論の要諦を見る。彼はゲーテのテキストに向き合い、哲学的、科学史的そして文芸学的関心を注いだ。(中略)カッシーラーの哲学の基軸が通説とは違い、カントよりむしろゲーテにあったことが本書を通して明らかにされる。」(知泉書館のホームページより)

出版にあたり田中教授は、「カッシーラーを訳してみてそのゲーテに対する深い理解と親愛の念にはしばしば感動を覚えました。前半は講演集で、なかでもゲーテの思想や作品、さらに自然観を『内的形式』という概念を用いて分析しています。後半は青年時代のゲーテについての講義録から成っています。カッシーラーの独自の見地を踏まえながら、作品論のみならず伝記的なエピソードも頻繁に紹介されていて、学生の皆さんにも親しみやすいと思います。森先生はドイツでもよく知られた日本を代表するカッシーラー研究者であり、翻訳作業を通して先生と多くの楽しい意見の交換ができたのは誠に幸いでした」と述べました。
なお、田中教授と森前会長は2016年にも、中央大学の平山令二教授、本学の伊藤貴雄教授らと共に「ゲーテ=シラー往復書簡(上)(下)」の翻訳を手掛けています。

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ページ公開日:2020年04月14日