第2回世界市民教育シンポジウム「民主主義と教育、そして価値創造」
シンポジウム概要
「民主主義と教育、そして価値創造」
権威主義が拡大し、妥協困難な価値観の対立が深まるなか、世界は民主主義の危機に直面しています。民主主義は今後どこへ向かうのか。そして教育は、この時代にどのような役割を果たしうるのでしょうか。
価値の対立を乗り越え、新たな価値創造の可能性を探る機会として、このたび第2回世界市民教育国際シンポジウム「民主主義と教育、そして価値創造」を開催いたします。
本シンポジウムでは、基調講演として、初日に「民主主義と世界市民教育」をテーマに、東京大学名誉教授・前熊本県知事の蒲島郁夫氏、ボローニャ大学ユネスコ世界市民教育講座議長・世界市民教育国際研究センター長のマッシミリアーノ・タロッチ氏をお迎えします。
また2日目には、「デューイ教育思想の現代的意義」をテーマに、ノース・カロライナ大学グリーンズボロ校教授のキャシー・ハイテン氏、国際デューイ学会会長のアンドリア・イングリッシュ氏、北京師範大学比較教育研究所所長の高益民氏をお迎えし、民主主義、教育、価値創造をめぐる諸課題について、多角的かつ国際的な視点から議論を深めます。
つきましては、以下のとおり、分科会での研究発表を募集いたします。日頃の研究成果や実践の知見を広く共有する機会として、ぜひご応募ください。あわせて、募集要項をご確認くださいますようお願い申し上げます。
研究発表募集要項
研究発表募集要項
本シンポジウムを開催する2026年は、過去を振り返り、新たな行動について考える重要な節目の年です。ちょうど30年前の1996年、池田大作は、コロンビア大学ティーチャーズカレッジで「世界市民教育に関する一考察」と題する講演を行い、世界市民教育について論じ、そのなかで次の三つの資質を示しました。
- 生命の相関性を深く認識しゆく「知恵の人」
- 人種や民族や文化の“差異”を恐れたり、拒否するのではなく、尊重し、理解し、成長の糧としゆく「勇気の人」
- 身近に限らず、遠いところで苦しんでいる人々にも同苦し、連帯しゆく「慈悲の人」
(1996/2021, pp.6-7)
また、2025年は第二次世界大戦終結から80年という歴史的節目に当たり、平和、民主主義、そして教育の可能性について改めて考える機会となりました。しかしその一方で、ナショナリズムの台頭、地政学的緊張の激化、若い世代における政治・市民参加の低下など、深刻な課題が広がっています。これらの課題に挑戦するためには、民主主義の意義や目的、教育の役割について改めて考察する必要があるでしょう。
ジョン・デューイは『民主主義と教育』(1916年)の中で、「民主主義とは単なる統治形態ではなく、何よりもまず人々が互いに結びついて生活し、ともに形成しながら伝え合う経験の一様式である」と述べ、継続的な対話と協働を通じて民主的習慣を育む教育の重要性を強調しました(1916/2008, p.94)。また、デューイは民主主義を「生き方」と表現し(1939/2008, p.227)、世代ごとに更新されるべき不断の営みであるとしました。
同様に、池田(2005/2021)は、真の民主社会は外部の権威や力によって押し付けられるものではないと述べています。「適切な道は、人々の内にある能力を引き出し、それを自律と自発性により民主社会の構築に向けて発揮させることである」とし(p.159)、価値を創造し地域社会に貢献できる個人を育む教育の重要性を示しています。
本シンポジウムでは、教育学、政治学、哲学を含めた幅広い研究者だけでなく、教育、社会実践に関わる実務者の皆様と共に、「民主主義と教育、そして価値創造」という問題を考えていきたいと思います。現代における民主主義の意味は何か、そのなかで教育はどのような役割を果たせるのか、さらには、多様に変化するグローバル社会で価値を創造し続ける人間をどのように育むことができるのか、話し合っていきたいと思います。
参考文献
Dewey, J. (1916/2008). Democracy and education. In J. A. Boydston (Ed.), The middle works of John Dewey, 1899–1924 (Vol. 9, pp. 1–371). Southern Illinois University Press. The Collected Works of John Dewey, 1882–1953. Electronic Edition. InteLex Corporation.
Dewey, J. (1939/2008). Creative democracy–The task before us. In J. A. Boydston (Ed.), The later works of John Dewey, 1925-1953 (Vol. 14, pp. 225-231). Southern Illinois University Press. The Collected Works of John Dewey, 1882–1953. Electronic Edition. InteLex Corporation.
Ikeda, D. (2021). The light of learning: Selected writings on education. Middleway Press.
研究発表テーマ例
- グローバル文脈における民主主義の意味と目的の変化
- 民主的関与とグローバル的責任を育む教育の役割
- 民主主義と世界市民教育の関連性
- 価値創造教育と世界市民教育の関連性
- 教育的、哲学的、政治的、社会的、歴史的、経済的視点からの世界市民
- 世界市民教育における実証的研究や実践
提出ガイドライン
- 発表タイトル
- 発表者名と所属
- 概要:英語約300語、中国語400字、日本語500字程度。
以下を含むこと:
- 研究目的
- 概念的/理論的枠組み
- 研究デザイン/方法論
- 結果と示唆
- 3つのキーワード
- 参考文献一覧(英語の場合はAPAスタイル)
提出先:GCE@soka.ac.jp(締切:2026年7月31日)
2名の査読者によるブラインド・ピアレビューを経て、採否通知を送付します。
参加費
8,000円(含食事代:昼食×2、夕食×1)
※学生発表者は参加費を4,000円とする
学生助成金
海外から日本への渡航を伴う学生に対し、最大1,000ドルの渡航助成(交通費・宿泊費に限定)を提供します。助成申請希望者は、プロポーサル提出時に学生であることを証明する書類を添付してください。採否につきましては、プロポーサルの採否と同時に通知します。
Closeプログラム
1日目 : 11月22日(日)
| 時間 | プログラム |
|---|---|
| 9:00-10:30 | 開会式(Discovery Hall) 挨拶 鈴木美華(創価大学学長) ゲストスピーチ |
| 10:45-12:15 | 分科会1(中央教育棟4F) |
| 12:15-13:15 | 昼食 |
| 13:15-14:45 | 分科会2(中央教育棟4F) |
| 15:15-17:35 | 全体会1(中央教育棟) 「民主主義と世界市民教育」 ① 蒲島郁夫(東京大学名誉教授、前熊本県知事) ②マッシミリアーノ・タロッチ(ボローニャ大学ユネスコ議長、同大学世界市民教育国際研究センター長) |
| 18:30-20:30 | 懇親会 |
2日目 : 11月23日(月祝)
| 時間 | プログラム |
|---|---|
| 9:00-12:15 | 全体会2(中央教育棟) 「デューイ教育思想の現代的意義」 ① キャシー・ハイテン(ノース・カロライナ大学グリーンズボロ校教授) ② アンドリア・イングリッシュ(国際デューイ学会会長) ③ 高 益民(北京師範大学比較教育研究所所長) 閉会挨拶 秋谷芳英 創価大学理事長 |