創価教育研究所で講演会「新カント派価値哲学と公共哲学 ——牧口・新渡戸・南原と幸福・平和」を開催
2026年6月1日に、『創価教育論』の授業内講演会を開催しました。
題名:「新カント派価値哲学と公共哲学——牧口・新渡戸・南原と幸福・平和」
講師:小林 正弥 氏(千葉大学大学院 社会科学研究院 教授)
会場:S201教室
近代日本の思想形成に大きな影響を与えた新カント派の価値哲学は、明治末期から大正期にかけて、教育・文化・平和をめぐる多様な議論の基盤となりました。本講演では、政治学者の小林正弥氏(千葉大学大学院教授)をお迎えして、新カント派の価値哲学を基点に、牧口常三郎、新渡戸稲造、南原繁らの思想を手がかりに、「幸福」や「平和」をご専門の公共哲学の観点から再検討し、現代社会における価値創造と公共性の可能性について考察していただきました。
小林氏は、個人の自由だけでなくコミュニティの共通善を重視するコミュニタリアニズムの重要性を語られ、価値創造が幸福に直結する牧口常三郎の価値論が、最新の科学的指標であるウェルビーイングの研究によって裏付けられている点を強調されました。
また、こうした思想的背景が、現代政治において政治の理念や平和構築の実践活動にどう反映されているかを考察されるとともに、人類の幸福と平和を実現するための多層的な指針を提示いただき、素晴らしい学びの機会となりました。授業内での質疑応答が活発に行われた上、その後も講演会に参加した学生との質疑応答が行われました。
終了後、小林氏は、本学秋谷理事長・鈴木学長とも和やかに懇談しました。
参加学生の声:
〇学部生
科学的研究によって価値は実証可能というのが印象に残りました。公共哲学とは、学際性、実践性、対話性を重視しており、広く人々が共有し、行動や政策の指針になる考え方であると理解できました。
〇学部生
ウェルビーイングの枯渇とポピュリズム政治がつながっているというお話が印象的でした。低下の原因を学び、人間の精神性をいかに培っていくかという問題が重要であると感じました。自己犠牲にならないようにするには、中庸という自他両方に配慮したバランスをとれた生き方をすること、ポジティブな価値につながるコミュニティを求める好循環を意識することが大切であることも学びました。
〇学部生
ポジティブ心理学は面白い学問と思いました。小林先生は、利他は幸福を高め、自己犠牲は幸福度を下げるとおっしゃっていて、そのバランスが大事なんだと感じました。幸福な人は、幸福を他者に与えることができる点も面白いと思いました。新たな視点を得ることができました。