創大Days

2023年11月13日

丹木の歳時記2023 神無月(二)

創大Days編集部

卒業生のSさんから久しぶりの便りが届きました。社会の荒波に揉まれつつ、今も折に触れて本欄を眺めてくれているとのこと。10年前にまだ高校生だったSさんから初めて届いたメールを読み返すと飛躍的な成長の跡が伺えます。いかなる分野に進みどのような職業についたにせよ、大なり小なり困難はつきもの。時に挫折を味わい、現実に押しつぶされそうになることもあります。そのような時にこそ原点に立ち返り、そこから再び前進することが肝要。Sさんは母校を「母港」ととらえ、今も時々本学に立ち寄って力を蓄えているそうです。読書家のSさんなら既読かもしれませんが、考古学者・鳥居龍蔵の一文を思い出しました。小学校中退後、独学で学んだ鳥居は東大人類学教室の標本整理係を皮切りに東大助教授、上智大教授を歴任。日本の人類学の礎を築いた彼は晩年の著書『ある老学徒の手記』(岩波文庫)の中でこう述べています。「私は学校卒業証書や肩書で生活しない。私は私自身を作り出したので、私一個人は私のみである。私は自身を作り出さんとこれまで日夜苦心したのである。されば私は私自身で生き、私のシムボルは私である」。誰がどうあれ「私は私」。高校生の頃から様々な困難を乗り越えてきたSさんがこれからも自分らしく生き、社会の一隅を照らす人であり続けることを願っています。
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ページ公開日:2023年11月13日


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