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2023年09月20日

丹木の歳時記2023 長月(一)

創大Days編集部

秋の七草を詠んだ万葉歌人・山上憶良(やまのうえのおくら)の歌に「秋の野に咲きたる花を指(および)折りかき数ふれば七種(ななくさ)の花」「萩の花尾花葛花なでしこの花 をみなへしまた藤袴 朝顔の花」とあります。尾花はススキ、朝顔は桔梗(キキョウ)をさすようです。七草を探してキャンパスを歩いてみると、萩、ススキ、葛の花に出会いました。ススキの根元で見つけたのは「思ひ花」。万葉集には「道の辺(へ)の尾花が下の思ひ草 今さらさらに何をか思はん」とあります。思ひ花の現在の名は南蛮煙管(ナンバンギセル)。ススキなどに寄生する寄生植物です。ちなみにこの歌は相聞歌。首をかしげて物思いにふけっているように見える南蛮煙管の姿に恋の相手を思う自身の気持ちを託したのでしょうか。「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」(古今和歌集)と詠んだのは藤原敏行(ふじわらのとしゆき)。柿本人麻呂らと共に平安時代を代表する三十六歌仙の一人です。日本列島を挟んで秋と夏の空気がせめぎ合っている予報図を見ると残暑はしばらく続くようですが、植物の世界では確かに秋は訪れているようです。
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ページ公開日:2023年09月20日


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