創大Days

2023年05月24日

丹木の歳時記2023 皐月(三)

創大Days編集部

二十四節気の小満を迎えました。辺りに草木が満ち始める頃です。「文学の池」ではピンクの睡蓮が開花。池のほとりではカルミアや赤詰草(アカツメクサ)が咲いています。これから夏に向けて水辺の賑わいも増していくことでしょう。日光がほとんど届かない薄暗い林の中で、ひっそりと咲くのは采配蘭(サイハイラン)。戦国武将が合戦の時に打ち振った道具に似ていることからついた名前です。いささか旧聞に属しますが、WBCでの栗山監督の采配も見事でした。采配蘭の葉は一枚しかありません。日も差さない林の中で十分な光合成ができるのでしょうか。ラン科の植物は地中の菌類と共生しているものも多く、本種もその一種。光合成に加え、栄養の一部を菌類から得る植物を「部分的菌従属栄養植物」と言います。樹木と共生する菌類がいなければ生きられず、鉢植えにしてもやがて枯死してしまいます。日本のレッドデータで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されているのは乱獲や開発の影響でしょうか。世界では100万種もの生物種が絶滅の危機に瀕していると言われます。物言わぬ采配蘭は環境保全の大切さを教えてくれる植物。本学では毎年定点観測し、大切に見守っています。
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ページ公開日:2023年05月24日


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