創大Days

2024年03月27日

丹木の歳時記2024 弥生(三)

創大Days編集部

昔話の桃太郎に登場するおじいさんと言えば山にしば刈りに行くと相場が決まっていますが、ここでいう「しば」とは「芝」ではなく「柴」。雑木や小枝などを集めることを「柴刈り」と言います。集めた雑木や小枝は竈や風呂焚きの燃料にしていたのでしょう。小枝を払い、成長したクヌギやコナラを薪として利用する。かつての雑木林は適度に人の手が入ることで新陳代謝が促され保全されていました。一方、人の手が入らない雑木林は荒れ果てていきます。ということで桃太郎のおじいさんよろしくキャンパスで柴刈りに励んでいたある日のこと、川の上流から大きな桃が・・・。もとい、見慣れぬ小さな花を見つけました。雪割草とも呼ばれる三角草(ミスミソウ)です。本学の自然観察を始めて20年余り。これまで一度も構内で三角草を見たことはありませんでした。それもそのはず、東京都のレッドデータによれば都内では自生地が失われ、絶滅したとされています。今回見つけたのは長らく人が立ち入っていない場所。かつて植えられ薮の中で埋もれていた園芸種である可能性も否定できず、遺伝子解析でもしない限り完全な野生種とは言い切れませんが、いずれにしても貴重な個体。付近から片栗なども見つかり、柴刈りの思わぬご褒美となりました。
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ページ公開日:2024年03月27日


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