分岐点 ~航空会社勤務から教員の道へ~
教員採用試験 合格体験記02
私は高校まで地元の北海道で過ごした後、中国北京の大学に進学し中国語を学びました。卒業後、モルディブ諸島での就職を経て帰国後、培ってきたスキルを生かそうと現在の航空関係の会社に就職しました。
しかし、5年目の冬、突如新型コロナウィルスが大流行し航空会社という職業柄、休職状態になってしまったのがきっかけで、自分は本当は何がしたいのかと、じっくりと自分と向き合う時間が増えました。そして、自分は子どもと関わることが好きなこと、人に物事を教えることが人より少し得意であること等に気づきました。そんな自分を最大限に生かし、社会に貢献したいと考えるようになり、いつしか教員という生き方にあこがれるようになったのです。年齢は既に29歳、今更目指し始めて教員になんてなれるのだろうかという気持ちも正直ありました。
そんな中、自身の生活にマッチした学び方のできる創価大学通信教育部への3年次編入を決意しました。入学直後は、久しぶりの勉学に右も左もわからない手探り状態でしたが、通信教育部の担当者や先生方に助けられながら、教科書を読んでレポートを書いたり、オンラインスクーリングのグループディスカッションで思い切って発言したり、とにかくできることを頑張りました。
オンラインスクーリングは自分と同じように目標に向かう仲間と出会うことができ、とても刺激的なものでした。欲を言えば仲間と共に同じ空間で学びたい気持ちもありましたが、オンラインならではの学びも多くありました。特に6畳そこそこの部屋で受講した体育の授業で汗をかいてダンスをしたことは非常に印象深く記憶に残っています。そうして勉学に励む中、最初は孤独との戦いだと思っていた通信教育も決して一人ぼっちではなく、自分には支えてくれる家族、友達、そして共に学ぶ同志や先生たちがいることに気づきました。
今年受験した採用試験に向けては、今までにないほどの勉強をしました。創価大学の先生にいただいたアドバイス通り、過去5年分の過去問に徹底して取り組むことで、受験地域の出題の傾向性が見えてきて、勉強をすべきポイントが浮かび上がってきました。そのポイントを参考書や動画サイトをフル活用して徹底的に学び、どうしてもわからない部分は高校時代の恩師に教えてもらいにも行きました。その結果、試験当日は自信を持って受験することができました。
そして、1次試験受験翌日からは教育実習が始まり、2次試験の直前に教育現場を実際に知ることができました。教育実習では決して見習いではなく一人の教育者として振る舞うことを心掛け、とにかく子どもたちのことを考え続ける時間を過ごしました。恥ずかしい話ですが、最終日にはクラスみんなで涙のお別れをしたほど充実した4週間にすることができました。今でも勉強に行き詰まればその時の子どもたちの顔を思い返しながら奮起しています。
教育実習直後に1次試験合格の通知があり、2次試験の準備を始めました。私の地域の2次試験の内容は適性検査、教科等指導法、個人面接の3つでした。教科等指導法の対策については、教育実習中の指導案を見返したり、過去問を取り寄せ、それを実際に解いてみたりしました。面接の対策については、しっかりと自身の考えを持ち、それを面接官に伝えられるように整理することを重点的に取り組み、知り合いの方に協力してもらい模擬面接も行いました。試験当日は緊張しましたが、準備の甲斐があり自身の気持ちと考えを面接官にしっかりと伝えることができました。その結果、2次試験も無事通過、明年4月より北海道の小学校教員として登録されることが決まり、教員という目標に向けての最大の山を越えることができました。
教員採用試験に合格し、最もうれしかったことは周囲の人たちが喜んでくれたことです。一人だと思って始めた挑戦は、いつしか周囲の多くの人たちとの挑戦に変わっていました。多くの人たちに支えられて、多くの人と喜びを分かち合うことができました。
高校を卒業してから世界を周り、積んできた経験を、こうして地元である北海道の教育に還せることに大きな使命感を感じています。不安が無いと言えば嘘になりますが、創価大学で学んだ日々を信じて、自信を持ち、思い切って飛び込む決意です。
すずき こうだい Suzuki Kodai
[出身地]
北海道
[合格地域]
北海道
【趣味】
スポーツ観戦、旅行、筋トレ
[一日の勉強時間]
平日1~2時間 休日4時間
[おすすめ教材]
・北海道教員採用試験過去問集(共同出版)とその参考書