夏期スクーリング第2期の最終日に当たる8月20日(木)、文学部の開講科目である「表現文化論入門」に、作家の村田喜代子氏が特別講師として登場しました。村田氏は芥川賞をはじめ数々の文学賞を受賞している、日本文学界を代表する作家のひとりです。
Zoomによるオンラインで行われた授業に、村田氏も自宅から参加。当科目担当講師陣や受講者からの質問に答えるかたちで、小説を書くことになったきっかけ、小説に向かう姿勢や信念、執筆から出版に至るまでの苦労や葛藤などが紹介されました。
「どんな風に生活の中で書くスタイルを維持されているのでしょうか?」との質問に対して「私、書くのはそんなに好きじゃないんです」との回答に、受講者が目を丸くすることも。「それでも書きたくなるんです。癌で闘病中、鹿児島の病院で放射線治療を受けているさなか、一ヶ月に100回も噴火した桜島の爆発音を耳にしながら、宇宙の持つエネルギーに心を寄せました。核融合ってなんだろう、核分裂ってなんだろう。病院に専門の本をたくさん注文し、本の山を担いで家に戻りました」と語りました。
受講者からは「貴重なお話が聞けてとても楽しく大切な思い出になりました」「これからも素晴らしい作品を書いていただきたいです」などの感想が寄せられました。
文学部表現文化メジャー科目の「表現文化論入門」は、文学作品の読み方と書き方、都市芸術、舞台芸術、アニメ、日本古典芸能など幅広いジャンルの芸術について、鑑賞方法を学び、それぞれに貫かれる文化の「かたち」を学んでいきます。さらにレポート執筆を通じてこれらの鑑賞方法が自らの表現力の向上にどのように役立てられるかについて考察し、自らの表現技法の向上に役立ていく科目です。
ページ公開日:2020年08月24日 19時00分