教員採用試験 合格体験 (2021年採用)

私は、2021年4月より、東京都の小学校教員をしています磯 雅代と申します。
自身の「教員への道」を、皆さんへのエールになればとの思いで発表させていただきます。


私は、大学を卒業後、就職し、結婚。専業主婦になりました。
2児の母となり、育児をしながら、PTA活動を通して子の成長や友人作りなど、楽しく過ごすものの、傍らでは自分のやりたいことは何だったのだろうかと考えるようになりました。
ライターになりたいという夢を思い出し、ライター学校に通い、WEBライターとして活動したり、外資系のマーケティング会社に勤める大学の友人の誘いで、派遣社員として10年働くなど、育児と両立しながら、自身のやりたいこと、できることを探してきたように思います。
5年前にマーケティング会社から正社員の話があり、これが本当に私のやりたいことなのか・・・と悩んでいると、PTA活動を共にしてきた友人から「磯さんは、教員免許をもっているんだから、学校で働いたらいいのに・・」と言われました。大学時代に教員を目指して中学・高校の英語の教員免許を取っていたことをその言葉で思い出しました。
数年前に東京都の全ての小学校に特別支援教室が設置され、巡回指導が開始されました。
それを機に特別支援教室専門員という新しい職ができ、それに誘われたのをきっかけに、
私の人生は学校現場へと向き始めました。
「教育は、子供たちを幸福にするためにこそある」
「人を育てる。人をつくる。教育は、人類の限りなき夢です」
創立者が教育の大切さを語られる言葉も、私の支えになりました。
しかし、すぐに教員の道を目指したわけではありません。
特別支援を学ぶうちに、今の通常級では、合理的配慮なしには授業・学級経営ができない事を知り、自身が思っていた学校・教育現場とはずいぶん隔たりがある事に驚きました。児童たちと一緒に学ぶ中で、合理的配慮の大事さと、児童自身が主体性を持ち、学ぶ力を引き出すための授業を行おうと苦労している先生方の姿を見て、共に悩み、学んでいきたいと思うようになりました。


ちょうどその時に義理の姉から「通教に一緒に通わない」という誘いがありました。
漠然と考えていたことを形にしたい。
背中を押してもらい、小学校の教員免許取得のため、創価大学の通信教育部へ進学することを決意しました。
それからは、小学校での専門員の職は継続しながら、通信教育の勉強、土日は試験、夏休みは、学校の研修とスクーリングで創価大学に通う生活を過ごしました。これを無事に終えられたのは、家族の支えなしにはできませんでした。
夏のスクーリングには夫が車で送ってくれたり、子どもたちは家事を手伝ってくれるなど、感謝しきれません。
そして何より私の勉強の後押しをしてくれたのは、「学ぶ」という事の贅沢さです。
日々、家事に追われ、家族の用事で一日が終わるお母さん業は、自分だけの事に向き合う時間はほとんどありません。
その中で、自身が興味あるものを学べる時間は、私にとって何にも代えがたい「贅沢な時間」でした。
いくつになっても夢を持ち、実現に向けて努力することができる事を実感しました。全てに感謝の気持ちでした。
ここで、私の教員採用試験に向けた取り組みをご紹介させて頂きます。
教員採用試験1次試験、筆記試験の対策としては、時事通信出版の「30日完成」という問題集を教職教養、一般教養、小学校全科で解くようにし、その後過去問を行い、出題の傾向性を理解し試験に臨みました。
問題によって入れた方がよい教育用語や数字が、勉強して来ると見えてくるので、そのワードが自然に出てくるようになると、合格に近づいていると思います。
1次試験合格後は、面接対策です。対策としては、模擬面接をたくさん経験し、形式的な部分で慣れておくことが大切です。答える内容は、受験する地域が求める人材の内容にからめた返答ができるか、評価の3観点に絡めた内容により自身の教職を選んだ理由を盛り込むことができると良いと思います。


また、面接対策で一番必要なことは、模擬面接で恥をかく事です。
私もこの年齢なので、多少身構え、カッコをつけてしまうこともありましたが、通教の模擬面接講座では、現役の大学生も意欲満々、準備万端で参加しています。その方たちと一緒に模擬面接をすることで、実践に近い緊張感の中で練習をすることができました。
初日は、しっかり回答する大学生に圧倒され、中身の薄い回答、しどろもどろの私は打ちのめされ、ZOOMを切ったあとは、「あ~これじゃあ、落ちたな」とつぶやいてしまったほどです。ですがこの経験が、講師にかじりつき、何度も練習を重ねる「原動力」になりました。
これらの準備で私は、東京都教員採用試験の現役合格を勝ち取ることができました。今でもこの合格は自分一人の力ではなく、家族の支え、創価大学の講師の先生方、勤務校の先生方、全ての人に支えられての合格だと、感謝の思いしかありません。

10月23日に合格の通知を頂いた後、コロナ禍の為に伸びた教育実習が12月にありました。
余談ですが、大学に通う私の息子も教職を取っており、息子と同時期に教育実習を行い、家に帰ると互いに悩みを打ち明け合った事もありました。
その後自身が持っていた中学の教員免許の更新講習や、残りの通教の科目試験があるなど、常に崖っぷちな状況でしたが、小学校の教員免許も無事に取得することができ、3月には、晴れて息子と一緒に卒業式を迎えることができました。
現在私は、息子と同じ年齢の同期の方と、初任者として2年生の担任をしています。1年目といえども10年戦士の先生方と同じ職務をこなさなければなりません。
児童たちの毎時間の授業は、二度と戻ってきません。常にそのことをかみしめ、授業準備にあたっています。先輩の先生方への質問はもちろんの事、学習指導要領や指導書を読み込むなど、いくら時間があっても足りない毎日ですが、自分にできる事は積極的に行うなど、日々奮闘しています。子供たちの成長を信じ、子どもたちと共に学ぶ中で自分自身も成長していきながら、1年1年を大切にしていきたいと思います。
現場で同窓の教員に出会う喜びはひとしおで、勇気をもらいます。ぜひ、通教生の皆さんと、現場で出会いたいと思います。
教職を目指す皆さん、自身の夢に向かって頑張ってください。
2019年度 創価大学通信教育部 教育学部児童教育学科 3年次編入学
2020年度 東京都教員採用試験合格 小学校教諭1種免許状取得
創価大学通信教育部 教育学部児童教育学科 卒業