クサカンムリに秋と書くと「萩」ですが、キヘンに秋と書いて「楸」(しゅう)という植物にまつわる逸話を一つ。今年、没後100年を迎えた森鴎外が、江戸時代の医学者・伊沢蘭軒の『蘭軒医談』をひも解いていた時の事。「楸葉は癰疽(ようそ)の奇薬なり」という一文が目に留まります。癰疽とは、たちの悪いできもののこと。それが楸の葉で治せるというのです。この「楸」が一体いかなる植物なのか判然としなかった鴎外は、植物学者の牧野富太郎に教えを乞います。富太郎の答えは「キササゲ」。ノウゼンカズラ科の落葉高木です。後に蘭軒の伝記を「東京日日新聞」に連載した鴎外は、この折の富太郎とのやり取りを綴っています。ちなみに鴎外と富太郎は同年(文久2年)生まれ。来年放送予定の朝の連続テレビ小説のモデルは牧野富太郎だそうです。
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ページ公開日:2022年08月29日