2022年10月、福岡県北九州市で開かれた全日本吹奏楽コンクール大学の部で、最高賞である金賞を受賞した創価大学パイオニア吹奏楽団。コロナ禍による活動制限を乗り越え、目標としていた栄冠を手にするまでには、さまざまな苦労や努力がありました。団員約150人をまとめ上げ、目標だった金賞を手にした楽団長の吉瀬城音さんに、大会に至るまでの道のりや金賞受賞の喜び、今後の活動について聞きました。
★「キャンパスストーリー VOL.11〜勇気と希望を演奏に乗せて〜」もあわせてご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=r44Pggg1TIw
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全日本吹奏楽コンクールでの金賞受賞、おめでとうございます。3年ぶり5回目の受賞ですが、結果を聞いた瞬間はどんなお気持ちでしたか?
とにかくうれしかったのはもちろんですが、目標としてきた金賞を受賞できて「安心した」という思いが強かったです。
ここ数年、コロナ禍で吹奏楽の練習や大会にもさまざまな制限がありました。2020年度はコンクール自体が中止になり、昨年度は開催されたものの無観客でした。客席にお客様がいるのといないのとでは、やはり気持ちの入り方が全く違います。今年の大会は、お客様の前で自分たちの音楽を演奏できることに、あらためて感謝と喜びを感じた大会になったと思います。
ここ数年、コロナ禍で吹奏楽の練習や大会にもさまざまな制限がありました。2020年度はコンクール自体が中止になり、昨年度は開催されたものの無観客でした。客席にお客様がいるのといないのとでは、やはり気持ちの入り方が全く違います。今年の大会は、お客様の前で自分たちの音楽を演奏できることに、あらためて感謝と喜びを感じた大会になったと思います。
音楽や吹奏楽はいつどのように始めたのですか? また、パイオニア吹奏楽団はどんな楽団ですか?
両親が吹奏楽をしていたこともあり、幼い頃から音楽が好きでピアノも習っていました。小学4年生で学校の吹奏楽部に入り、それ以来大学までずっと吹奏楽に打ち込んでいます。担当はフルートです。
パイオニア吹奏楽団は、現在約150人が所属しています。日々、個人練習、楽器ごとのパート練習、金管や木管に分かれてのセクション練習、さらに全員が集まっての合奏などの練習を重ね、演奏を通してみなさんに勇気や希望を届けることを目指しています。今年は全国大会で最高賞を獲得し、いわば「日本一」になったことで、これまで以上に多くの方に演奏を届けることができるようになりました。楽団全体がさらに演奏に磨きをかけていこうと意気込んでいます。
パイオニア吹奏楽団は、現在約150人が所属しています。日々、個人練習、楽器ごとのパート練習、金管や木管に分かれてのセクション練習、さらに全員が集まっての合奏などの練習を重ね、演奏を通してみなさんに勇気や希望を届けることを目指しています。今年は全国大会で最高賞を獲得し、いわば「日本一」になったことで、これまで以上に多くの方に演奏を届けることができるようになりました。楽団全体がさらに演奏に磨きをかけていこうと意気込んでいます。
コロナ禍によって活動にはどのような影響があったのでしょうか?
団員に陽性者が出た時は活動を停止し、感染の疑いがある団員がいた場合も、検査結果が出るまでは練習を取りやめていました。その間は各自が個人練習することになりますが、楽器は大きな音が出るため自宅では練習できない団員も多く、1週間以上楽器を吹くことができなかったという人もいる状況でした。そうした時間をポジティブに変えるため、普段練習している時間にオンラインでミーティング、対話会、研鑽会を開き、団結力と一人一人の気持ちを高めるよう工夫していました。
パートごとに開く対話会では、演奏でどんな思いを伝えたいか、今の不安や悩みなど、素直な気持ちを話し、団員同士がお互いへの理解を深めることができました。また、研鑽会では、練習中の曲の解釈などについて意見を交わしました。大会では、自由曲として、楽団のミュージックアドバイザーでもある伊藤康英先生が作曲した「コラール前奏曲『おお、人よ、汝の罪の大いなるを嘆け』による幻想曲」を演奏したのですが、この曲は2000年の米同時多発テロをきっかけに、平和への願いを込めて作られた曲です。そうしたことも含めて、研鑽会で団員一人一人が曲に対する理解を深め、それが演奏の質を高めていくことに繋がったと思います。
パートごとに開く対話会では、演奏でどんな思いを伝えたいか、今の不安や悩みなど、素直な気持ちを話し、団員同士がお互いへの理解を深めることができました。また、研鑽会では、練習中の曲の解釈などについて意見を交わしました。大会では、自由曲として、楽団のミュージックアドバイザーでもある伊藤康英先生が作曲した「コラール前奏曲『おお、人よ、汝の罪の大いなるを嘆け』による幻想曲」を演奏したのですが、この曲は2000年の米同時多発テロをきっかけに、平和への願いを込めて作られた曲です。そうしたことも含めて、研鑽会で団員一人一人が曲に対する理解を深め、それが演奏の質を高めていくことに繋がったと思います。
難しい状況の中で、楽団長として心掛けていたことはどんなことでしょうか?
みんなの気持ちを一つにすること、団結することが大事だと考え、対話を促すことを心掛けていました。150人という大所帯ですからいろいろな考え方の団員がいますが、気持ちがバラバラでは演奏もまとまりのないものにしかなりません。また、個人の演奏技術が高くても、楽団として同じ方向を向いていなければ、技術だけの音楽になってしまいます。私たちが目指す「人に勇気や希望を与える演奏」をするためには、やはり気持ちと技術を両立させることが必要です。お互いを理解し、気持ちを一つにするために、団員には積極的に対話をしてほしいと常に声を掛けていました。コロナの影響で集まって練習する時間が少ない中でも、たくさんの対話が団結を深め、演奏に良い影響を与えてくれたと思っています。
ただ、その間、楽団長として迷いや不安があり、苦しんだ時期もあります。私は大学入学前から、全国大会で金賞を取り、お世話になってる方に感謝や励ましを伝えたいという思いを持ち続けてきました。そのイメージを団員にどう伝えれば同じ方向を向いてもらえるかには、特に悩むことが多かったように思います。また、楽団長の業務と一奏者としての練習の両立も難しかったですね。
ただ、その間、楽団長として迷いや不安があり、苦しんだ時期もあります。私は大学入学前から、全国大会で金賞を取り、お世話になってる方に感謝や励ましを伝えたいという思いを持ち続けてきました。そのイメージを団員にどう伝えれば同じ方向を向いてもらえるかには、特に悩むことが多かったように思います。また、楽団長の業務と一奏者としての練習の両立も難しかったですね。
悩んだ時はどんなことが支えになりましたか?
一番の支えになったのは家族の言葉です。両親や妹に何かと電話で相談していたのですが、家族はいつも「城音なら大丈夫だよ」と励ましてくれました。家族が信じてくれているのだから私はもっと頑張らなければならないし、まだまだ成長できる。そんな思いが力になり、楽団長を最後まで務めることができたと思っています。
また、楽団の同期や仲間たち、高校まで一緒に吹奏楽をしていた友人たちが、楽団長としてではなく「吉瀬城音」としての私の話に耳を傾けてくれたことも、心の支えになりました。ランチを一緒に食べたりしながら、最近どう?元気?とさりげなく気遣ってくれるだけでうれしく、前向きな気持ちをもらっていました。
また、楽団の同期や仲間たち、高校まで一緒に吹奏楽をしていた友人たちが、楽団長としてではなく「吉瀬城音」としての私の話に耳を傾けてくれたことも、心の支えになりました。ランチを一緒に食べたりしながら、最近どう?元気?とさりげなく気遣ってくれるだけでうれしく、前向きな気持ちをもらっていました。
文学部での学びの面で、興味を持っていることはありますか?
3年生から、異文化コミュニケーション《日本語》メジャーで、日本語や日本文化に対する学びを深めたいと思っています。小学校時代の先生の影響で国語が好きになり、それ以来、国語や古典には特に力を入れて学んできました。人とコミュニケーションを取る手段としての言葉、その中でも身近な日本語について、より論理的に深く学んでいくことを楽しみにしています。音楽など言語以外の表現にも興味があり、表現文化メジャーの授業も受けてみたいですね。
これからの目標はありますか?
2022年末で楽団長を“卒業”し、一団員に戻りました。これからは、私が先輩方に支えていただいたように、団の執行を担う2年生を支える存在でありたいと思っています。また、楽団長として、学内の他団体、他大学の吹奏楽団の方と交流や連携する機会が多くありました。その出会いを大切にし、さらにコミュニケーションを取ってほかの団体と関係を深めていけるよう力を尽くしていこうと考えています。
部活動だけでなく、資格取得にも取り組んでいきたいです。今は、社会人の基礎力を身に付けるために秘書検定の勉強をしています。TOEICのスコアアップにもチャレンジしていきたいです。
部活動だけでなく、資格取得にも取り組んでいきたいです。今は、社会人の基礎力を身に付けるために秘書検定の勉強をしています。TOEICのスコアアップにもチャレンジしていきたいです。
創大を目指す後輩たちにメッセージをお願いします
創大には、励まし合える同期や、素晴らしい先輩方との出会いがたくさんあります。私自身も創大でたくさんの方と出会い、もっと成長したいと思えるようになりました。大学での出会いは、私の大切な宝物です。また、幅広い学問を学ぶことができ、やりたいと思ったことが叶えられる環境も整っている大学だと思います。さらに、パイオニア吹奏楽団は、勉強と部活動を両立させつつ、勇気と希望を届ける音楽を奏でたい、自分を成長させたいなど、それぞれの目標に向かって挑戦できる場所です。創価大学で、またパイオニア吹奏楽団で、一緒に成長していきましょう!
PROFILE
吉瀬 城音 Yoshise Shirono
[好きな言葉]
感謝できる人は幸せな人だ。/雪柳 光の王冠
[性格]繊細だけど芯の強い子 (母より)
[趣味]
音楽を聴くこと、映画を観ること
[最近読んだ本]
蜜蜂と遠雷、祝祭と予感/恩田陸
ページ公開日:2023年02月09日