創大Days

2023年12月07日

丹木の歳時記2023 師走(一)

創大Days編集部

今年もあと20日余り。東京では初霜が観測され、寒さが募る季節となりました。7日には二十四節気の「大雪」を迎え、本格的な冬の到来も間近です。新古今和歌集には「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ」(藤原定家)とあります。苫屋(とまや)とは粗末な小屋のこと。花も紅葉も枯れ落ちた晩秋の寂寥感が見事に表現されています。この歌とともに新古今和歌集では「秋の夕暮れ」をテーマにした「三夕(さんせき)の歌」として「心なき身にもあはれは知られけり鴫たつ沢の秋の夕暮れ」(西行法師)、「さびしさはその色としもなかりけり真木たつ山の秋の夕暮れ」(寂蓮法師)が知られています。真木とは杉や檜を差します。一方、武蔵野の秋を詠んだ歌としては「武蔵野やゆけども秋のはてぞなきいかなる風か末に吹くらむ」があります。「武蔵野の秋の趣には終わりがなく野のはてにはどんな風を吹いているだろうか」という意味になるでしょうか。紅葉を愛でながら物の哀れを感じるもよし。古(いにしえ)の歌人にならって一句ひねるもよし。何かと慌ただしい年の瀬ではありますが、季節の移ろいを味わう心の余裕を持ちたいものです。
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ページ公開日:2023年12月07日


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