創大Days

2024年05月28日

丹木の歳時記2024 皐月(五)

創大Days編集部

本学では生態系を保全する取り組みの一環として東根笹(アズマネザサ)の刈り取りを行っています。国土地理院のデータベースで確認したところ、1971年の開学以前から雑木林となっている場所です。伸び放題に生い茂った笹の高さは3~4mほど。雑木林一体を覆いつくし、全く前が見えない藪になっていました。放置された笹藪は林床の日差しを遮り他の植物を消滅させてしまいます。大きいものは太さ2㎝ほどあり、電動草刈機が折れてしまったこともあるほどです。こうした東根笹の刈り取りは生態系にどのようなプラスの効果があるのでしょうか。まずは林床に日差しが当たることで雑木林に生息していた在来植物の増加が期待できます。植物の多様性が回復し、森林の再生が促される効果もあります。薮の中から、金蘭、三角草、片栗、タマノカンアオイ、キツネノカミソリなどの絶滅危惧種をはじめ、浦島草、万年青(オモト)、山百合などの山野草も見つかりました。樹液が出ているコナラもあり、夏には様々な昆虫もやってくることでしょう。一度刈り取っても地下茎が残っているため、この先も東根笹との格闘は続きますが、この場所の生態系がどのように回復していくのかを継続して見守りたいと思います。
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ページ公開日:2024年05月28日


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