数年先の未来予測すら困難な現代において、「教育」という営みの重要性はますます高まっているといえます。
創価大学では、創立者・池田大作先生の「教師こそ最大の教育環境」との指針のもと、これまでに延べ8500名を超える教員採用試験合格者を輩出してきました。
今後も、子どもたちの幸福のために学び続け、成長し続ける教師を輩出するため、創価大学・教職課程で育成する教師像を以下の通り定めます。
・子どもの未来に対して責任を持つ教師
・子どもの自律的・協働的に学ぶ力を育てる教師
・子どもを心から慈しみ、励ます教師
これらの教師像は、各学部の教員が教職課程の授業科目において具体化するとともに、教職課程に登録している学生が四年間を通して意識し、各学期末等において振り返る際の視点とすることを想定しています。また、教職をとりまく状況の変化に応じて、教師像そのものの見直しも定期的に行う予定です。
開放制の教員養成制度の下では、各大学の特色を生かした個性ある教師教育が求められる。
とりわけ私立大学においては、各大学の建学の精神に基づく独自色豊かな教員養成を行うことにその意義を見出すことができる。
教育学部児童教育学科は、本学の建学の精神の一つである「人間教育の最高学府たれ」との言葉に見られるように、豊かな人間性を重んじる「人間主義教育」を基本に置いている。
それは幼児・児童それぞれが本来持っている力を最大限に信頼し、活かそうとする教育であり、いかなる場面においても子どもの幸福を最大の価値とみなす教育である。そのためには、社会的目的を達成するための手段として教育を利用し、目的・手段のために教育を従属させるというあり方を排除し、子どもたちの人間性の開花を目指す教育そのものを最大の目的とする価値観に立つ必要がある。このような理念の下、児童教育学科では以下の点に留意して基礎能力と現場対応力の両面を重視する教員養成を行っている。
1. 人間主義に立脚した教育学、心理学の理論の修得
「人間とはどのような存在であるか」「教育とはどのような営為であるか」という根本的問いかけは、教育者を目指すものにとって重要である。
そのような背景なしに教育を振りかざせば、それは危険な暴力にもなりかねない。
児童教育学科では、様々な教育学、心理学の理論を学びながら、哲学的、社会学的、歴史学的考察を加えつつ、人間主義に立脚した教育理論を体得する。
「人間主義教育」といっても、理念だけでは空回りしてしまう。
しかしながら、何も準備せず現場に出るだけでは実践力に結びつかない。
児童教育学科では、まず学校における多くの問題について、正しくとらえ理論的に分析する力を養った上で、学校現場に触れる。
このような経験を通じ、正しい視点で教育現場の現実を正しく認識し、自らの目で見、体で体験した上で子どもたちを理解することができるようになる。
教師の授業力が問われているが、正確な学問理解なくしてよい授業を行うことはありえない。
小学校教員といえども専門性が問われる時代である。
免許法の上ではいくつかの教科を学ぶだけで教員免許を取得できることになっているが、児童教育学科では、小学校の全教科にわたり、学問内容を扱う授業を履修するだけでなく、どれか一つの教科について集中して学習することにより、得意教科を作ることができるようにしている。