世界を震撼させたロシアによるウクライナ侵攻から、1年以上が経過しています。ウクライナ侵攻により、世界中で紛争や戦争がなお身近にあることを実感させられた人も多かったと思います。平穏な日常が奪われ、住む家を追われ、生命、身体の安全が脅かされ、人生を大きく狂わされてしまった人々を思うと、本当に心が痛みます。また、2023年2月、トルコ・シリアで大地震が発生し、甚大な被害をもたらしました。亡くなった方、住む場所等を失った被災者の人数も膨大なものになっており、被災者に対する救援、継続的な復興支援が必要になっています。
このような紛争や災害の場面において蔑ろにされがちなのが、人間らしく生きる権利、人権だと思います。人権とは、人が人間らしく生きていくために保障されるべき権利であり、人として生まれた以上、誰もが等しくもっている権利です。また、人権はどのような国家権力や公権力も侵害したり、奪うことのできない重要な権利です。
人権の内容には様々なものがありますが、一人一人の個人の尊厳が保障される権利、人身の自由が保障される権利、人間的な生活を送ることが保障される権利、思想・良心の自由が保障される権利、信教の自由が保障される権利、などが挙げられます。
我が国の憲法の他、多くの近代国家の憲法等でも人権の保障・尊重が謳われています。さらに国際連合でも、すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準として「世界人権宣言」が採択されています。
このように人権の尊重は、国家的にも国際的にも宣言されていますが、紛争や災害の場面の他、様々なところで人権がきちんと護られない事態が起きてしまうことがあります。
人権の尊重といっても、人々がお互いに人間らしく生きることや、人としての尊厳を尊重し合うところから始まると思います。人権尊重の価値観を揺るぎないものにしていくべく、創価大学で学んでいる私達こそ、各地域で人権尊重の担い手になっていきたいと思います。
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