レポート作成講義【Aタイプ】を担当して
通信教育部 准教授 加納直幸
レポート作成において最も重要なのは、レポート課題の意味を的確に把握して、テキストの内容を十分に理解することです。この基本ができていないレポートが少なくありません。
まず、レポート課題とは、第一義的に作題者がレポート作成者に対して「質問し、答えを求めている」ということです。そのために、課題(質問)の意味を正確に理解することが求められます。また、課題の中に含まれる専門用語についての正確な理解も必要です。課題を読む段階から専門用語などの理解困難な言葉を検索できるような準備が必要です。生かじりの我流の知識で課題を理解することがないよう注意が必要です。
実際、このことができていないために課題から外れてしまったレポートや、いかにも自分はよく理解して書いているんだと思わせるようなレポートが散見されます。当然ながら不合格となる可能性が高くなります。
次に、テキストの内容を十分に理解することですが、語句の正確な意味を理解することから始まって、著者の意見や論調をしっかり把握することが重要です。これができていないと、文章をそのまま切り貼りして書くことになります。このような方々も多く見かけます。最後の文までテキストの文のままであることも珍しくありません。
なぜそのようなことが起こるのかを推測すれば、「書く」ために、「読む」ことをしていない人が多いということでしょう。いろんな事柄を聞いて知ったつもりの人がいます。知識が耳から入って口から出てくるタイプの人です。確かにこのタイプの人は、一見、流ちょうに話ができて博学に思われる方かもしれませんが、文章を書く際にはどうでしょうか。話を聞くことより、文章を読むことの方がはるかに正確な理解を得ることができます。それは、文字として“意味”が存在し、確認ができるからです。さらに何度でも読み返すことができ、理解を深めることができます。実は文章を「読む」ことの多い人の方が、レポート作成を苦にしていないことが多いのです。
つまり、レポート作成について最も重要なことである「書く」ことのためには、深く正確に「読み」、そして良いレポートを「書く」作業に移行していくという流れが大切なのです。そのためには、「読む」ことを中心にした日々の勉学を行うということです。教科書や参考書はもちろんのこと、新聞の社説やコラム、専門雑誌などを貪欲に読み込んでいくことです。
そして、ジャンルごとにノートやメモ帳を脇に置いて書き込んでいく習慣を身に着けることも、勉学やレポート作成を楽しくやり遂げるための方法です。“ふうふう”言いながら勉強したりレポート作成することが全てではありません。通信教育部で、たくさんの文章を読んで、読んで、読みまくって良いレポートを書いていって下さい。
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