今年度の学修支援を振り返って
学修支援推進室 室長・文学部 教授 髙橋 正
2023年の5月に、新型コロナが感染法上の部類が2類から5類に変更され、季節性インフルエンザと同じ部類になりました。夏には、感染対策を講じながらも、対面で夏期スクーリングを行い、学光祭もディスカバリーホールで開催できました。コロナ禍の期間を通じて、日常の当たり前のことがいかに重要であったかを知ることができたと思います。
今年の3月から6月にかけて、5回にわたって、創大や主要都市で新入生ガイダンスを行い、その後でレポート作成講義を開催しました。創価大での講義は、対面とオンラインで実施されました。対面での受講者は全国で113名、オンラインでの受講者は312名でした。講義の後のアンケート調査では、「レポート作成の構成が理解できた」(70.4%)や「教科書の読み方が分かった」(47.2%)などの声が聞かれ、新入生にレポート作成への意欲を高めることができたと言えます。半面、「どちらともいえない」や「満足していない」受講者が27%余りいるので、今後も推進室としては、この講義の改善に努めていきたい。
久しぶりに対面で行われた夏期スクーリングでは、各期に1回ずつ、8月13・18・23日に4つのタイプの作成講義を行い、受講者の合計は305名にもなりました。この4つのタイプの講義はオンデマンドでいつでも映像で学べるので、対面のこの講義では、質問の時間を多くとるように講義内容を短縮しています。対面での受講生がそれなりに多いのは、それぞれの先生の独自の解説や説明が、受講生にとっては理解を深めるきっかけになることや質問を直接に先生に聞くことで日頃の疑問や不安が解消されることにあると思われます。そのことは、受講後に行ったアンケートに現れており、「大変に満足」と「満足」を合わせると84%にのぼっております。84%の人が「レポート作成の構成が理解できた」と答え、「レポート作成について、一層レベルの高い講義に参加したい」という学生が49%もいました。半面、16%の学生が不満に思っているという結果も重く受け止めて、各担当教員はさらに充実した講義を心がけていきたいと思います。
これまで発表されてきた入門講座の縮約版を「自立学習入門セレクション」として、昨年度につづき、機関誌『学光』に掲載してきました。春夏号の「パラグラフ・ライティングの技法」では、レポート作成における比較・対照の役割について学んでいます。秋号では「-パラグラフ論②=『数字に語らせる』」技法」を掲載して、データを基にしてパラグラフの補足文を充実させる方法を学習しました。
学光ポータルの「学修支援だより」に掲載されている「学修支援推進室コーナー」では、次の科目の「オンデマンドスクーリングだより」が閲覧できます(5月号教育学部「生徒・進路指導論」、9月号文学部「比較文化Ⅰ」、12月号法学部「刑法総論」)。今後、これらの科目の履修を考えている方はぜひ参考にして、よりよい成果で得られるように、オンデマンドスクーリングに取り組んでください。
「学修支援推進室コーナー」には「自立学習入門講座」があり、レポートの内容・質を高めるために、あるいは、オンライン授業の受講のために、様々な観点から説明がなされています。そのいくつかを紹介します。
レポート作成講義にある4タイプの違いがよく理解できていない人にはお勧めです。
夏期スクーリング以外のスクーリングは、オンラインで行われています。オンライン授業を受けるスキルや受講の心得を解説しています。来年度のオンライン授業に向けて、再度、読んで確認しておくのもいいでしょう。
オンデマンドスクーリングでは講義映像の視聴だけになり、能動的な学習が難しい面があります。 それを改善していかに主体的に、効率よく学習するか。 この疑問を解決してくれるヒントを学ぶことができます。
今年度の上半期では、相談の申込が58件ありました。相談内容としては、日本語教育に関するものが多くありました。また、同じ学生が複数回相談を申し込むという傾向があります。教員ごとに、それぞれの先生が対応できる質問項目をあらかじめ明示して、質問に的確に回答できるようにして実施しています。一人最大30分の時間をかけることができるので、納得がいくまで質問できるようになっています。今後も、多くの学生の相談をお待ちしております。
オンライン授業の恒常化によって、パソコンの操作がうまくできない人が受講の際に大変苦労したり、うまく受講できない場合が散見されます。また、キーボードからの入力が苦手で遅い人がWeb試験では、時間内に解答できないという場合もあるようです。通信教育部では、ICTサポートデスクを設置したり、パソコン操作等に関する説明動画を視聴できたりできるようにしています。また、提携パソコン教室を特典つきで利用できるように案内しています。支援室では、パソコン能力の向上のためのこれらの施策を今後さらに啓蒙していきたいと思います。
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