創大Days

2022年09月12日

丹木の歳時記2022 長月(一)

創大Days編集部

今年の旧暦8月15日は今月10日。中秋の名月を心待ちに夜空を見上げていると、雲間から姿を現してくれました。古今和歌集に「木(こ)の間より もりくる月の影見れば 心づくしの秋は来(き)にけり」(よみ人しらず)とあります。「心づくし」とは「あれこれと物思いを尽くす」こと。古(いにしえ)の人達も秋は何かと物思いにふける季節だったのでしょう。ススキの根元に出てくるのは寄生植物の南蛮煙管(ナンバンギセル)。万葉集には「道の辺(べ)の尾花(おばな)が下(もと)の思い草(おもいぐさ) 今さらになぞ物か思はむ」とあります。「尾花」はススキ、「思い草」は南蛮煙管のことです。うつむき加減に咲く姿を物思いにふける様(さま)になぞらえたのでしょう。そう言えば「文学の池」に飛来した青鷺(あおさぎ)も橋の上で何やら思案しているように見えます。花鳥風月(かちょうふうげつ)を愛(め)でる間にも日一日と秋は進んでいきます。
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ページ公開日:2022年09月12日


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