教員になるためには、教員免許法に基づき、教員免許状を取得しなければなりません。教員免許状は、文部科学省より課程認定を受けた大学で、所定の単位を修得した者に対し、各都道府県教育委員会が授与するものです。
特に、正科生の皆さんが教員免許状を取得するためには、教員免許取得に必要な「基礎資格」を取得し、卒業に必要な科目と共に、相当数の教職課程の科目の単位を修得する必要があります。また、教員免許法施行規則第66条の6に定める科目に該当する共通科目は、必ず修得してください。
教職課程は、あくまでも教員の養成を前提とし、教職に就く意志のある者を対象に開設しています。教職に就く意志がなく教員免許状さえ取れればよいといった、安易な姿勢で目指さないことを強く望みます。
(1)本学で取得できる教員免許状と学部・学科・コース
本学通信教育部で取得できる教員免許状の種類と学部・学科・コースは次の通りです。
免許状の種類 |
取得できる学部・学科・コース |
学部 |
学科 |
コース |
小学校教諭 |
1種免許状 |
教育学部 |
児童教育学科 |
児童教育免許コース |
幼稚園教諭 |
教育学科には教職課程がないため教員免許の取得はできません。
児童教育学科・児童教育教養コースでは教員免許の必須科目である「教育実習」「教職実践演習」を履修することができません。
教員免許状を取得するためには、教員免許法に基づき、所要資格を満たす必要があります。具体的には「基礎資格」「教科及び教職に関する科目」「66条の6に定める科目」「介護等体験」等の要件を満たすことが必要です。
はじめて教員免許状を取得するには、教員免許法第5条別表第1に定める科目・単位に基づいて、本学通信教育部の指定する科目を履修しなければなりません。
免許状の種類 |
基礎資格 |
大学において修得することを
必要とする最低修得単位数 |
教科及び教職に関する科目 |
幼稚園教諭 |
2種
免許状 |
短期大学士以上の学位を有すること
大学に2年以上在学し62単位以上を修得すること |
31 |
小学校教諭 |
37 |
幼稚園教諭 |
1種
免許状 |
学士の学位を有すること |
51 |
小学校教諭 |
59 |
表で示された単位数は、最低修得単位数ですので、本学で履修する科目・単位数は、この単位数を超える場合があります。
はじめて幼稚園1種・小学校1種教員免許状を取得するためには、基礎資格として「学士の学位」を取得することが必要です。従って、大学を「卒業すること」が、教員免許状を取得する基礎資格となります。
免許状の種類 |
基礎資格 |
1種免許状 |
学士の学位 |
2種免許状 |
短大学士以上の学位
大学に2年以上在学し62単位以上の修得 |
専修免許状 |
修士の学位 |
本学通信教育部では、短期大学士(準学士)、修士の学位を取得することはできません。
教員免許取得を希望する学生は、教職課程の科目とは別に、下記の各区分に、それぞれ2単位以上の修得が必要になります。必ず卒業までに以下の科目を修得してください。
教員免許法施行規則
第66条の6の区分 |
系列 |
科目名 |
単位 |
履修
年次 |
履修方法 |
日本国憲法 |
共通科目 |
社会・文化・生活科目
(社会分野科目) |
日本国憲法 |
2 |
1 |
F |
体育 |
健康・体育科目
(その他) |
体育実技 |
1 |
1 |
S |
体育講義A |
1 |
2 |
T |
外国語コミュニケーション |
言語科目
(英語) |
英語ⅠA |
2 |
1 |
T |
英語ⅠB |
2 |
1 |
S |
情報機器の操作 |
自然・数理・情報科目
(自然分野科目) |
コンピュータ・リテラシー |
2 |
2 |
S |
以前に在籍されていた大学での単位修得状況によって、履修が必要となる科目が異なりますのでご注意ください。
体育の分野は、体育実技、体育講義Aの両方の修得が必要です。
外国語コミュニケーションの分野は、英語ⅠA、英語ⅠBどちらかの修得で、この区分を充たします。 ただし、1・2年次入学者は、英語ⅠA、英語ⅠB両科目が卒業要件の必修科目となるので、ご注意ください。
「教科及び教職に関する科目」(下表全体が対象)は、教員としての専門的な教養、知識、技術を養うことを目的として学びます。児童生徒の理解・人格形成に関わる科目、また教育実習等が該当します。
その中の「教科に関する専門的事項」「領域に関する専門的事項」は、教員として直接担当する教科を専門的に研究することを目的として学びます。教育職員免許法上で最低限必要とされる単位数が規定されていますが、本学では各免許状を取得するにあたって各教科の基礎的な知識を身に付けることを鑑みて、カリキュラムが構成されています。
■教員免許法施行規則第2条第1項の表及び第3条第1項の表より
法定科目区分 |
最低修得単位数 |
小1 |
小2 |
幼1 |
幼2 |
第二欄 |
領域及び保育内容の指導法に関する科目
※幼稚園 |
領域に関する専門的事項 |
- |
- |
16 |
12 |
保育内容の指導法(情報機器及び教材の活用を含む。) |
教科及び教科の指導法に関する科目
※小学校 |
教科に関する専門的事項 |
30 |
16 |
- |
- |
各教科の指導法(情報機器及び教材の活用を含む。) |
第三欄 |
教育の基礎的理解に関する科目 |
教育の理念並びに教育に関する歴史及び思想 |
10 |
6 |
10 |
6 |
教職の意義及び教員の役割・職務内容(チーム学校運営への対応を含む。) |
教育に関する社会的、制度的又は経営的事項(学校と地域との連携及び学校安全への対応を含む。) |
幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の課程 |
特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対する理解 |
教育課程の意義及び編成の方法(カリキュラム・マネジメントを含む。) ※幼稚園 |
教育課程の意義及び編成の方法(カリキュラム・マネジメントを含む。) ※小学校 |
第四欄 |
道徳、総合的な学習の時間等の指導法及び生徒指導、教育相談等に関する科目 |
教育の方法及び技術(情報機器及び機材の活用を含む。) |
- |
- |
4 |
4 |
幼児理解の理論及び方法 |
教育相談(カウンセリングに関する基礎的な知識を含む。)の理論及び方法 |
道徳の理論及び指導法 |
10 |
6 |
- |
- |
総合的な学習の時間の指導法 |
特別活動の指導法 |
教育の方法及び技術(情報機器及び教材の活用を含む。) |
生徒指導の理論及び方法 |
進路指導及びキャリア教育の理論及び方法 |
教育相談(カウンセリングに関する基礎的な知識を含む。)の理論及び方法 |
第五欄 |
教育実践に関する科目 |
教育実習 |
5 |
5 |
5 |
5 |
教育実践演習 |
2 |
2 |
2 |
2 |
第六欄 |
大学が独自に設定する科目 |
2 |
2 |
14 |
2 |
合 計 |
59 |
37 |
51 |
31 |
注1 第2欄「教科及び教科の指導法に関する科目」の「各教科の指導法(情報機器及び教材の活用を含む。)」について、国語(書写を含む。)、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育及び外国語の教科について各1単位以上(二種の場合は、音楽・図画工作・体育のうち2教科を含む6教科を各1単位以上)修得しなければなりません(教育職員免許法施行規則第3条表備考第3号)。
注2 第2欄「教科及び教科の指導法に関する科目」の「教科に関する専門的事項」について、国語(書写を含む。)、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育及び外国語 の教科のうち1科目以上修得します。(教育職員免許法規則第3条表備考第1号)
本学では、「注1」および「注2」について、小学校1種免許状取得のために上表「第2欄」は「各教科の指導法」を10科目20単位、残りの10単位以上を「教科に関する専門的事項」より取得します。
幼稚園1種免許状取得にあたり、第2欄「領域及び保育内容の指導法に関する科目」の「領域に関する専門的事項」の単位取得については、小学校の「教科に関する専門的事項」の国語、算数、生活、音楽、図画工作、体育の内、3教科・計6単位以上を修得し、かつこの区分の余剰分をもって、「大学が独自に設定する科目」を満たすよう、単位を修得しなければなりません。
本学通信教育課程では、前頁表の第六欄「大学が独自に設定する科目」に該当する科目を設置していないため、「領域及び保育内容の指導法」(幼稚園)、「教科及び教科の指導法に関する科目」(小学校)、「教育の基礎的理解に関する科目」等の規定の最低修得単位数を超えて修得した単位を「大学が独自に設定する科目」に充てることができます。
免許状の種類 |
小1免 |
小2免 |
幼1免 |
幼2免 |
大学が独自に設定する科目 |
2単位 |
2単位 |
14単位 |
2単位 |
教員免許状取得のためには「教職実践演習」の修得が必要となります。この教職実践演習は、教師としての資質を最終的に確認・補う科目として位置づけられており、教員免許状取得のための集大成の科目となり、スクーリング科目として開講します。
この科目を受講するためには、
- 受講申込までに「教育実習」が終了(各スクーリング受講日の前日までに教育実習の終了予定を含む)していること
- 学習が終了した科目の「教職履修カルテ」を作成していること
の2つが受講の条件となります。
本学の「教職履修カルテ」は、主に以下の内容になります。
- 「体験・実習記録」…「介護等体験」「教育実習」「各種ボランティア」等の活動の修得年度や実習先・今後の課題等について記入する(各実習・体験終了後に入力)
- 「授業リフレクションシート」…教職課程科目の授業の中で何を学んだのかを振り返ると共に、今後どのような学習が必要なのかを自分で考えるために記入する(各科目の学習終了時に入力)
- 「資質能力自己評価シート」…教職に向けての資質能力を身につけられているかどうかを自己評価する(学年末及び「教職実践演習」履修前に入力)
「履修カルテ」(本学では「教職履修カルテ」)は、文部科学省の平成20年10月24日付通達「教職実践演習の実施に当たっての留意事項」の中に、教職実践演習の補完指導として履修カルテの活用が記載されています。受講生はこの履修カルテの作成を怠らず進めてください。
この「教職履修カルテ」は、通教学生ポータルサイトのメニューからWEB上で作成することになっています。以前に在学した他大学等で作成した「履修カルテ」は、本学では認められません。
教職課程を履修する方については、通教学生ポータルサイトの使用が必須になります。
この通教学生ポータルサイトでは、大学からの「教職に関する各種お知らせ」を発信すると共に、教職関係の各種手続き(教育実習・教職履修カルテ・介護等体験・一括申請等)の管理、履修登録をWEB上で行います。また、科目試験やスクーリングの申込み、成績照会やシラバス(授業内容)の閲覧等の学修活動も行います。
(5)教育学部児童教育学科・教員免許取得に必要な科目一覧
教員免許状取得を希望する方は、「教員免許法施行規則第2条第1項の表及び第3条第1項の表」に定められた「法定科目区分」に該当する科目の単位を修得する必要がありますが、本学での「法定科目区分」別の開講科目は以下の通りとなっています。
教員免許法の法定単位より、本学で修得しなければならない単位は多くなりますので、くれぐれもご注意ください。
(例:小学校1種:59単位→本学で修得しなければいけない単位:71単位、等)
入学年度や入学年次によってカリキュラム等が異なりますので、ご注意ください。
また、児童教育学科を卒業するうえで、参考にするための履修モデルを設けています。履修モデルは「募集要項」や入学後に配布される「履修登録の手引き」に掲載していますので、参考にしてください。
【注意事項】
- 教員免許状取得のためには、全ての各法定科目区分の分野から各法定科目区分に応じた本学の科目を履修し、かつ最低修得単位数を充足する必要があります。
- ここに記載の科目は、全て児童教育学科で開講されている専門科目です。「履修モデル」も参考に履修登録をするようにしてください。「履修モデル」は卒業・免許取得の双方に向けた参考となるため、教員免許取得に必要でない科目も含まれている場合があります。
- 「教育実習」には事前事後指導(教育実習講義等)が含まれます。
- 「教職実践演習」は、教育実習が終了し、かつ「教職履修カルテ」を作成しないと受講することができません。
- 今後、カリキュラムの変更や科目によっては履修パターン等が変更する場合があります。
- 「卒業要件」と「免許取得要件」は異なります。履修登録時には両方の要件が充足するように、自身で必ず確認を行ってください。
- 「教員免許法施行規則第66条の6」に定める科目を以前の学籍(大学・短大等)で修得していない方や、卒業・免許取得予定年度前に履修上限40単位に近い単位数を修得していない方は、標準修業年限内(3年次編入学者は在籍後2年)で卒業と教員免許取得が不可となる場合があります。
- 教育実習予定者は、教育実習前年度に教育実習必修科目と卒業単位90単位以上の修得が必要となりますので、計画的に履修、学修を進めるようにしてください。
- 「大学が独自に設定する科目」は、「教科及び教科の指導法に関する科目」(幼稚園は「領域及び保育内容の指導法に関する科目」)「教育の基礎的理論に関する科目」等の規定の最低修得単位数を超えて修得した単位をもって、それぞれの免許取得に必要な単位を充足する必要があります。
このページの先頭に戻る