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S |
科学技術(テクノロジー)の危機、民主主義(デモクラシー)の低迷、無力感(シニシズム)の蔓延――社会の閉塞感がますます強まっている今日、21世紀を生き抜くための智恵の構築を目指し、改めて「人間とは何か」を問い直す総合的視座を探究します。本授業では、文学部の掲げる①「生命の尊厳の探究者たれ」、②「人類を結ぶ世界市民たれ」、③「人間主義の勝利の指導者たれ」という三つの指針を軸に、科学と人間、日本と世界、理想と現実との架橋をいかに行なうかについて、受講者とのディスカッションも交えつつ考えたいと思います。
科目コード |
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単位数 |
2 |
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1 |
履修パターン |
S |
本科目は、社会学の基礎と主な研究領域11回、国際関係論の基礎2回、現代中国事情1回、現代ロシア事情1回の計15回の講義で行います。授業の到達目標は、1)現代社会研究のさまざまなアプローチがもつ独自の視点とそれらがう主な対象領域について説明することができる。2)現代社会の諸問題の幾つかを学問的に整理し、原因や働きや影響や変化について説明できる。3)今後の社会のあり方について一定の意見を持つことができる。4)現代社会を研究する意義を明瞭に論じ述べることができる。以上4点です。
科目コード |
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単位数 |
2 |
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1 |
履修パターン |
T |
本科目は、社会福祉を領域で分けてその歴史、現状、福祉政策を述べていく一般的な「社会福祉概論」の学び方と異なります。身近な社会問題から援助を「する」「される」といった立場から「社会福祉」を捉えるのではなく「市民」として、社会生活の「不安・不利・不信」の問題を考えます。ここでの学習は、社会福祉を専門としない人にも社会福祉を身近な問題として意識できるように設定されています。社会生活の「不安・不利・不信」からくる「生きづらさ」に関心を持った時こそ、各論的な社会福祉の学びが意義を持つでしょう。
科目コード |
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単位数 |
2 |
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履修パターン |
T |
本講義は、対外開放政策以降、政治、経済、外交、安全保障などの面で世界的な影響力を増した中国の現状と問題点を中国人の考え方を交えて解説する。近年、日中関係の悪化に伴い、日本において「嫌中」意識が高まっているが、現代中国の基本的な社会状況や中国人の思想・価値観を知った上で、日中問題の対立点や協調できる点を理解することを目標とする。
中国社会は何が問題で、どうして様々な問題が起こるのか。対外的には、尖閣諸島や南シナ海における勢力拡大の強硬姿勢がある。対内的にも、経済成長の陰で貧富の格差、腐敗・汚職、人権、民族、環境、食品などの多くの矛盾を抱えている。これらの問題をどう評価すればいいのか、各人が自分で考えることを目的にしたい。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
1 |
履修パターン |
T |
ロシアは日本の隣国であるにも関わらず、「近くて遠い国」と言われるように、その実情が正しく伝えられているとは言えません。一方で、近年日本にとっても国際社会にとっても、ロシアを正しく知る重要性が増しています。この講義は、ロシア語を専門としない学生が、ロシアについて様々な観点から基礎的な知識を学ぶことを目的しています。各回の講義では、取り上げたテーマについて分かりやすく解説するとともに、さらにより深く知ることができるように、専門的な参考文献や関連するWEBサイトなども紹介します。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
2 |
履修パターン |
T |
1991年のソ連解体とともに中央アジア5ヶ国(キルギス、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)が新たに独立した国家となりました。これらの国々は、かつてのシルクロードの要衝として歴史的に有名ですが、近年では、ロシアが主導する「ユーラシア連合」構想と中国が主導する「一帯一路」構想の狭間にあって、激動のユーラシアの中心として新たに注目を浴びています。この講義では、急速に変化するこの広大な地域の歴史、文化、社会、経済などを概観し、その国際社会における役割や日本との関係について考察します。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
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履修パターン |
T |
「主権国家により構成される社会」の構造と動態を明らかにすることをめざして発展してきた国際関係研究の思想と理論、実際の分析を理解したうえで、現代の国際社会が多様な行為主体によって構成される「地球社会」へと移行するプロセスにあることを学びます。そして、このような国際社会の変化の中で、武力紛争、テロリズム、貧困といった解決困難な諸問題が生じていることを理解し、こうした課題にどのように取り組むべきかを学んでいきます。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
1 |
履修パターン |
T |
本科目では、量的社会調査と質的社会調査を実施するうえで実際に役立つ調査スキルやデータ分析力の要点について学修します。「量的社会調査」では、①量的・質的データの集計、②統計的検定、③探索的データ解析、④結果の表示の仕方(図表の種類と適否)⑤データマイニングについて、実践的な内容を学びます。もう一方の「質的社会調査」では、①インタビュー法、②生活史法、③参与観察法の考え方とその基本的な手法について理解を進めます。本科目では、実証科学にとって必須の能力となる情報リテラシーと批判的思考力の習得を目標にしています。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
1 |
履修パターン |
S |
本科目では、個人と集団との関係、個人の結合から生まれる「社会」の自律性と拘束性などの社会の諸特性から、私たちの社会で起きている様々な問題を、社会学の基礎論と社会学的思考法を使って読み解いていきます。扱う問題は、家族、ジェンダー、都市、人口問題、格差社会、情報化と監視社会、グローバル化、ナショナリズムなど現代の日本社会が直面している社会的リスク問題です。本講義では、社会学の基礎知識と社会学的思考法の習得、問題解決能力の養成を目標にしています。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
1 |
履修パターン |
T |
文化人類学の諸理論を現代的課題と連動させて紹介する。グローバル化する現代社会において、異文化理解という課題はこれまで以上に重要となっている。本講義では文化人類学の中心概念を体系的に紹介し、異文化理解、他者理解という課題に対する認識や態度を養成する。事例としては、担当者の研究領域であるメキシコやキューバなどの文化実践を紹介し、グローバル化社会におけるローカル性、個別性における普遍性などについて考察を促したい。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
2 |
履修パターン |
S |
本科目では、社会学がどのように生まれ、発展してきたのか、そのエポックとなった諸学者の学説を学ぶ中で、社会学が私たちの生活とどう関係してきたかを講じます。到達目標としては、1)社会学の歴史を学ぶ目的と意義を明瞭に述べることができる。2)最低5人の社会学者の学説・理論について概略を説明し、現代の諸問題の解明にどう適用できるかを論ずることができる。3)身近な出来事と人類全体に関わる歴史や出来事の両方に関心を持ち、両者を結びつける「社会学的想像力」を少しずつ広げていく。以上の3点です。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
2 |
履修パターン |
S |
現代日本の家族の理解を目的として、「家族」について社会学的に考察しようとするものです。まずは、家族理解のために基本的な社会学的理解の枠組みを提示します。続いて、社会集団としての家族に注目しながら、家族の基本的な特徴を理解します。さらに、家族を取り巻く社会状況に留意しながら、夫—妻、親—子という二つの家族の内部の基本的な関係を中心に家族を考えていきます。また、家族問題として関心の高い事柄についても考えていきます。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
2 |
履修パターン |
S |
本講義では、共同体としての都市と村落の基本的な特徴、都市的生活様式(アーバニズム)、都市と社会的ネットワーク、都市圏の発展段階、インナーシティの危機と再生、文化生産とまちづくり、情報化都市と監視、などのテーマを取り上げ、①都市が私たちの生活をどのように変えるのか、そして②現代都市がどのように変化しているのか、という問題を考察します。本講義では、地域社会と都市がこれまでどのように社会学的に研究されてきたかを俯瞰し、都市化社会で賢く生きるための社会学的思考法を習得することを目標にしています。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
2 |
履修パターン |
T |
日々の記録から始まったジャーナリズムは、メディアの発達により出版、放送、そしてインターネットへと活躍の場を広げてきた。この授業科目では、「ジャーナリズム」という概念をメディア産業の従事者の視点のみでとらえるのではなく、市民の目、あるいは市民が発信する際の指針としてとらえることが今後の社会のあり方とどのように結びつくのか考えたい。ジャーナリズムを考える教科書を読むことで、既存のマスメディア、新しいメディアの課題や問題点を探っていくことを目標とする。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
2 |
履修パターン |
T |
本科目は宗教社会学の学的成立史、基礎的諸理論を学び、近代社会における宗教が担っている役割や機能についての理解を深め、現代社会の宗教とのかかわりを学問的な視角から探求する力を養うことを目標とする。宗教社会学の諸理論のほか比較宗教学、文化人類学等の宗教研究の成果を学びながら、現代日本における宗教と社会状況・文化・政治との関係、さらにグローバル化した世界におけるナショナリズムや宗教的「テロリズム」との関係などを探究していく。本科目は「現代宗教の社会学」へと連続する内容となる。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
2 |
履修パターン |
T |
少子高齢化の進展、地域のつながりの希薄化、ひとり親家庭の増加など、子どもが育つ環境は厳しさを増している。このような状況において、子育て(待機児童や孤立化)や貧困、児童虐待など、子どもの育ちとそれを支える家族の問題は深刻さを増している。本授業では、子ども家庭福祉の理念であるウェルビーイングを中心に据え、児童福祉の実施体制と仕組み、子育て支援等の実施施策、虐待、非行、いじめ、引きこもりなど保護を要する子ども、児童福祉の課題などについて教材を通して分析しレポートする。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
2 |
履修パターン |
T |
現代中国は、中央集権、官僚支配などの伝統を継承しながら、一党支配の共産党、三権分立を採用しない国家、共産党が指揮する解放軍という複雑な絡み合いの体制で政治運営が行われています。本科目では、まず現代中国を研究する8つのアプローチから勉強します。次に政治プロセスを3段階に分けて、社会主義の選択、憲法の制定から、脱文化大革命、政治改革の議論、そして憲法改正と民主なき自由化を学びます。最後に党、国家、軍とその関係、陳情の政治学、人権と法を学習し、中国政治についての理解を深めることを目指しています。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
2 |
履修パターン |
T |
中国は、社会主義の道を歩み、近代化を進める発展途中国でありながら、「世界の工場」といわれており、GDPで世界第2位の経済大国になりました。しかし所得格差や環境問題も同時に抱えています。この科目では、主に供給側の観点から工業に焦点を絞って中国の経済発展を勉強し、所得格差を考えます。とくに工業化政策を中心とする計画経済の仕組み、市場経済への転換、労働・資本・技術ならびに国有企業、外資系企業、民間企業の現状を中心に学習します。学習を通じてこれらの内容を理解できるよう期待しています。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
2 |
履修パターン |
T |
メディアと社会心理について、日常的なテーマを題材に、勉強する科目です。内容的には、社会心理学が中心となりますが、教科書では、メディアが人間や社会に及ぼす影響についても、さまざまな事例のなかで、触れられており、社会心理学とメディアについて、理論だけでなく、具体的な社会的なテーマを取り上げながら、勉強していきます。調査や実験などの紹介も含まれているので、統計学や心理学をあわせて勉強すると、さらに理解が深められると思います。
科目コード |
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単位数 |
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配当年次 |
2 |
履修パターン |
S |
本授業では、インドネシアのジャワを事例としてアジア・太平洋戦争の占領下の住民に対する動員・統制のあり方を歴史社会学的に分析することを目的としています。授業の前半は、教科書でアジア・太平洋戦争の全体像について、後半は、教科書で学んだ知識を前提としてインドネシアのジャワ占領について学びます。ジャワ軍政当局は、ジャワの住民を動員・統制するために、「教育」「スポーツ」「音楽」など、さまざまな「文化的な」方法を用いました。授業では当時の出版物や映像資料も多く使用しながら、これらの「文化的な」占領のあり方を歴史社会学的に考察していきます。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
2 |
履修パターン |
T |
現代社会を読み解くカギの一つがジェンダー論である。「社会的・文化的性差」に着目するこの視点によって、従来、男性中心に考察されがちであった歴史・社会・文化のあり方を、多様な視点から再検討することが可能になったのである。本講では、家族、教育、労働、余暇、装い、社会参加など、人生のさまざまな諸領域を取り上げ、そこにみられるジェンダー・バイアスを明らかにするとともに、その根底に横たわる本質的な問題を明らかにする。さらに、残された諸課題を解決するための考察を行う。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
2 |
履修パターン |
T |
本科目は、宗教社会学の基礎的理論、および比較宗教学をはじめとした諸宗教研究の知見をもとに、現代社会において宗教が担う役割や機能、現代社会に生きる人々にとっての意味世界の形成に宗教が果たしている役割について理解することを目標とする。近代日本の成立に伴う世俗化過程と現代日本社会の文化・政治状況と宗教の関係、グローバル化した世界の社会と宗教が果たす機能との関係を具体的な事例や先行研究をとおして探求していく。本科目は関連科目である「宗教社会学」において学んだ諸理論を基礎にして学修をしていく。
科目コード |
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単位数 |
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配当年次 |
3 |
履修パターン |
S |
平和学は戦争防止の学として誕生しましたが、その後、戦争の結果であり、また、原因ともなる極端な暴力(人々の殺傷、甚だしい人権の侵害、著しい貧困、経済格差等々)を明らかにし、こうした暴力の解消こそが平和であるととらえ発展してきました。この科目では、国際社会における平和達成のための諸課題をとりあげ、問題を生み出している社会構造を理解するとともに、主権国家だけでなく市民自身が問題解決にどう取り組んでいくかを学んでいきます。
科目コード |
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単位数 |
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配当年次 |
3 |
履修パターン |
T |
「人間の安全保障」という概念を中心として、現代国際社会における平和学の課題について考察していきます。「人間の安全保障」という概念が提唱された当時の国際社会の状況、例えば、「新しい戦争」とも呼ばれる武力紛争の発生が複合的な人間の「不安全」を引き起こしているといったことを理解し、安全の確保のために「誰が」、「どのような取り組み」をしているのかを学んでいきます。また、「人間の安全保障」を外交の基本方針としている日本政府がどのような役割を果しているのかを検討していきます。
科目コード |
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単位数 |
2 |
配当年次 |
3 |
履修パターン |
S |
21世紀の世界は、主権国家により構成される「国際社会」から多様な行為主体によって構成される「地球社会」へと移行するプロセス、すなわちグローバリゼーションが進行する世界であることを学んでいきます。その上で、このような国際社会の変化の中で、武力紛争、テロリズム、貧困といった解決困難な諸問題が生じていることを理解し、こうした課題への対応としてのグロバール・ガヴァナンスのあり方を検討し、現代国際社会の構造を学んでいきます。
科目コード |
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単位数 |
1 |
配当年次 |
3 |
履修パターン |
S |
卒業論文作成に際し、テーマの選択、研究目的、研究理論、研究仮説、研究意義、研究範囲および先行研究の整理方法、研究方法について詳細に指導します。研究方法に関しては、文献調査、フィールドワーク、質的方法論、量的方法論について紹介します。先行研究の整理に関しては、専門分野における研究動向の整理、把握をベースに、自身の研究テーマの学術的独自性の発見について各人のテーマにそって指導します。学生は、それぞれの問題関心を明確にし、それらを専門分野の学術的動向と結びつけ、各人の卒論執筆にあたることとなります。
科目コード |
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単位数 |
3 |
配当年次 |
4 |
履修パターン |
S |
本授業では、社会学メジャーの各専門領域で卒業論文を書くために必要な知識・技法を習得することを目的としています。本授業は、社会学メジャーの学びの成果を学術論文としてまとめたい学生のための授業です。授業では「卒業研究AⅠ」でとりあげた基礎的な内容を復習したあと、各自の関心領域(社会学理論・社会問題・マスメディア・平和学・国際関係・人類学・比較文化など)の最前線の学問的状況や課題を解説します。毎回の授業は演習形式で行ない、発表と討論のなかで各自が卒業論文の作成を進めていきます。
科目コード |
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単位数 |
4 |
配当年次 |
4 |
履修パターン |
T |
本授業は、文学部での4年間の学修の集大成として、卒業研究を行うものです。文学部では人間と社会と文化について幅広く学び、とりわけ社会学メジャーにおいては社会学理論・社会問題・マスメディア・平和学・国際関係・人類学・比較文化などの科目により社会についてのより深い考察を行いました。学生の皆さんの社会でのさまざまな経験に加え、こうした学修成果を十分に生かし、4通のレポートを通して、私たちの社会が直面する諸問題について、学生の皆さんが改めて取り組むことを本授業での目的としています。